センター外国人ママの支援にむけて 外国人ママのための通訳派遣事業の開始向けて

課題解決のための発想

 保健事業担当 重野

私 たちはこれまで6年間、京都市、財)京都市国際交流協会と協働で京都市内の4つの医療機関へ医療通訳派遣制度を実施して参りました。中国語を中心にこれま で年間1500件をこえる多くの依頼に対応してきました。医療通訳派遣事業を実施するにあたり多くの課題が浮き彫りになりました


課題1 医療通訳者の長期的活動が難しい

事業開始から活動を続けてくださる方も多くいらっしゃいますが、医療通訳の謝金は時給1000円でまだまだ

生 活を支える収入にはなっていません。そこで経験をつんでこれから・・・・というタイミングで転職や就職を理由に活動を辞めてしまう方が多くなってきまし た。思いだけでは食べていけないという現状がありました。私たちも時間をかけて養成してきた通訳者を引き止めるすべがなく、また謝金をあげる努力は続けま したが800円から1000円までのUPまでしかできていませんでした。


課題2 自由な派遣、対応の拡大が困難

医 療通訳派遣事業は開始当初からほぼ500万円の予算となっており。現在の市厳しい予算で、削減こそあれ、増やす事は厳しい現状があります。この予算内で医 療通訳者の謝金、交通費、コーディネイターの謝金、派遣事務の人件費、通訳者の養成講座の実施、通訳者の養成(病院インターン)を行わなければならず、要 望があっても派遣できる範囲や対応を規定せざるを得ない事情があり、自由な派遣ができない状態でした。

ある患者さんから

・お金を払うので、自分の行きたい病院同行して欲しい・・・

・仕事があってどうしても夜しかいけない・・夜間診療に同行して欲しい・・・

病院からは
・役所の手続きの説明をしてほしい、役所まで通訳に同行してほしい

・午後にしかない検査があり、対応時間だがどうしても来て欲しい

などの要望がありました。固定された予算内では対応すればするほど事務局は負担が厳しい状態なる一方でした・・・公的医療通訳支援でできない対応をどうすればよいのか・・・

今までは何でも公的な枠組みの中でやろうとしていました。しかし発想を変えて有償のプラベート通訳と無償のパブリック通訳を両立し多様なサービスを提供できないかと考えました。

 

そ こで特に近年のニーズが高くなっており、病院を超えサポート場面の発生する「妊娠、出産」における分野から医療通訳の派遣事業をスタートさせたいと考えま した。単に有料というのではなく、有料でも利用したいと感じる細やかで多面的なサポートをしていきたいと考えています。

 

 

外国人ママのための医療通訳養成講座(英語)2009年度

外国人ママのための医療通訳養成講座(中国語)2010年度