京都市医療通訳派遣事業


 6月から2名の新人通訳者と2名の復帰者が医療通訳者として加わり、活動をスタートさせました。役2ヶ月の研修を終え、まだ慣れてない部分もありますが、これからの活躍を期待しています。

 英語の派遣については、少しづつ依頼が入ってきています。昨年度の同時期と比べると、少し増えています。

 


※京都市医療通訳派遣実績は、下記の通りです(4月~6月)

京都市医療通訳利用実績(4月~6月)

  4月 5月 6月 合計
医仁会 104 99 104 317
市立 31(2) 33(5) 26(2) 90(9)
康生会 0 0 1 1
2(2) 0 2 4(2)
  137(4) 132(5) 133(2) 412(11)

※()中の数字は英語の件数です。


京都橘大学の看護実習の受入れ

 センターでは毎年1回、京都橘大学看護学部国際看護学の2回生を対象とした、在日外国人患者の医療保健についての講義に行っています。

 また、医仁会武田総合病院で実習を行っている4回生の学生さんに対し、多文化共生センターきょうとの事務所で京都における外国人患者の現状や京都市医療通訳派遣制度など説明などを行うオリエンテーションを実施した後、医療機関で通訳者に同行して通訳の活動を知るという病院実習を行いました。


オリエンテーション(担当:高嶋)

 今回、卒業研究を国際看護学に選んだ5人の学生さんが来られました。「授業を受けたのは2年前なので、どんなことを習ったか復習してきました」と講義で配布した資料を持ってきている熱心な学生さんもいました。
 京都市の医療通訳派遣事業の制度では医療通訳者になる前に病院実習があるということに対して、「通訳の人にも病院実習は必要なんですね」という意見が出ていました。講義の最後に、病院実習の際に行う通訳者と患者への質問内容について意見交換をしました。

 

病院での通訳の同行実習(担当:重野) 

 2グループで2日にかけて医療通訳者に同行し、通訳活動を見学するという実習を行いました。外国人患者がどのような問題や不安を持っているのかなど、通訳者を介して患者さんに直接ヒアリングを行いました。実習後のレポートでは実際の現場に立ち会うことで、在日外国人が受診する時の不安や、困難を目で見て感じることができた。医療通訳はただ通訳するだけでなく、患者の言語に対する不安を軽減し、安心を与える存在であることが分かった。医療通訳者としての立場で接することで適度な距離を保っていることがわかった。今まで受けた中で最も影響力のある実習だったと評価している学生もいて、実習での学びが今後の自身の看護や医療のあり方をを考えるきっかけになったようです。

 

多文化通訳派遣「ことさぽ」

派遣件数(2013年4-7月):

 中国語 1 ポルトガル語 1(個人依頼 1 法人依頼 1)

 

「ことさぽ」では、依頼を受けて医療通訳者の派遣を行っていますが、依頼(お問い合わせ)は沢山あるものの、何らかの理由で、通訳の派遣まで結びつかないことが多々あります。

 

利用料金(金額の問題、誰が負担するかの問題など)は大きな理由の一つですが、個人の方からのご依頼の場合、事務局では英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語で対応可能であるにもかかわらず、やり取りをしている途中で連絡が途絶えてしまう、ということが多くあり残念に感じています。

 

なぜ、連絡が途中で途絶えてしまうのか。

料金の問題、病院に行く前に体調が回復した、など理由はさまざまだと思います。

実際の理由を聞くことも難しいですが、私たちで解決できる原因はないか、常にアンテナを張っていなければ、と思います。

 

前田