韓国で医療通訳養成!韓国人材開発院ヒアリング

ある日、医療通訳に関する記事をググっ ていた時・・

韓国で初めての医療専門通 訳者養成

という記事が目に入ってきました。韓国で医療通訳の養成!!

韓国ではグローバル・ヘルスケアの競争力強化のために、韓国内で初めて医療通 訳者が養成される。保健福祉家族部と韓国保健福祉人材開発院は「医療通 訳社養成教育過程を開設して、英語、中国語、日本語、ロシア語、アラビア語の5ヶ国言語教育生65人を選抜する」受講生は12月まで全額国費で、200時 間教育を受けた後、外国人患者無料診療所と国際メディコルコールセンターなどで、100時間の義務無料 奉仕をすることになる。今回の教育過程は、新しい成長動力として注目されるグローバルヘルスケアの競争力強化と専門医療通訳人材を育成するために企画され た。(searchina 記事を見る:)

という記事が目にはいってきました。そこで2009年年末に、重野、高嶋 の2名が医療通訳の養成を行った韓国保健福祉人材開発院にヒアリングを実施しました


韓国では医療の産業化を進めており、韓国の高い医療技術、先端技術を活用し海外富裕層の外国人患者の医療観光誘致を目指しています。そのため、外国人 患者の受け入れのための法の改定、外国人向医療費の設定し、患者への言語サポートとして2009年6月より医療通訳者の養成を始め12月より医療通訳の派遣を行っています。

養成について
募集対象:外国人医療センターで勤務する看護師と外国語大学通訳専攻卒業者
     32名の募集に320名の応募者→書類選考・面接・語学テストを実施し、67名が受講。

言語: 30人(英) 各10名(中・露・日) 5名(アラビア)

養成は国が全額負担を行い無料で実施。通訳者は6か月間(200/h/年)の研修を受 けた。医療用語・通訳理論・実技・病院研修の4分野の研修後に、テストを実施、通過者は、100時間の病院での通訳ボランティアが義務付けられ、その後医 療通訳者として公認される。利用の際にはwebサイトを介して病院単位で要請が行え、病院雇用、長期、短期利用が可能である。

課題点:利用料は国際会議通訳 料金を推奨基準とするが規定は今のところはなく、通訳者と病院との直接交渉である。医療通訳に係る医療訴訟・通訳者の倫理規定等は今のところ未整備となっ ている。

医療の産業化、海外の富裕層のサポートとしての医療通訳の養成であり、高度、高額医療に対するサービスです。現在、120 万人の在韓外国人が暮らしているが、本サービスの対象ではなく、逆に外国人向け医療費の改定に伴い医療費高額となり受診できなくなる問題も発生しています。 医療の産業化は質の高い医療通訳の養成が必要とされます。その中で、医療通訳者数の増加は、医療通訳者の全体の質の底上げにつなげていくことが可能であると 考える。今後の医療通訳者の充足が在韓外国人の医療通訳利用へと拡大していくことを期待したいと思います。

なおこ の内容は2010年1月開催のびわ湖国際医療フォーラムにて発表させていただきました
当日の資料はこちら

報告 重野